『…続いては RN・土曜日のサンデーさん。

“私は高三の受験生なんですが、今勉強を教えてもらっている家庭教師の先生のことが好きになってしまいました。

ただ受験が終わったら会えなくなってしまうので気持ちを伝えたいのですが、

どのタイミングで言っていいのか分かりません”』

イヤフォンから流れてくるママのラジオをベッドで横になりながら、ぼんやりと聞く。

『気持ちを伝える前に距離は縮まってますか?』

一応、一緒に住んではいる…

『勉強以外のお話はしていますか?』

“病気”以外の話は最近はしてないかも…

『恋愛を受験勉強の糧にするのはとても素敵なことだと思います。

だけど今恋愛にのめり込みすぎちゃって、勉強が厳かになっちゃったら先生の立場もなくなっちゃうんじゃないかな。

それならば“受かったらデートして下さい”、“頑張るから終わったらお願いごと聞いてくれますか?”

と予約しておく方が今はいいかもしれませんね』

あたしも今は控えておけばよかったのかな…

でも貴も背中を押してくれたし、何よりあの時は人生かかっていたわけで!

だけど…

考えれば考える程、底知れぬ負の連鎖にはまっていく。

「禁断の恋か…」

パパ達はどうやってその壁を乗り越えたんだろう。

ママにからかわれる前に聞いておくべきだったかなぁと右手の薬指の指輪を弄ぶ。