妙に意気込んでるウサギ。
だが、残念なことに、こいつは役に立たない。
あたしの代理をさせると、キャラが浮いてしまい、変なのだ。
つまり、なにもしてほしくない。
動くな、と言えば言い話なんだが、やはり役に立たないというか、なにも思い付かないのか、言わなくてもウサギは動かない。
というか、動けない。
だから言う必要はない。
しかし、警察側が頼りにしてるのはあたしではなく、ウサギのほう。
だから……
「雪兎君、ここまででなにか意見あるかい?」
ほら来た。
「えっ?えっと……」
戸惑うウサギ。
まあ、こうなることくらい予想済みだ。
あたしはウサギの顔を見上げる。
そして、目が合うと、助けを求められた。
……仕方ない。
あたしは散らばった資料を見る。
数分後、ウサギのところに行き、ウサギがあたしに気付いたときに、首を横に振った。
これは、なにもおかしいところはない、という仕草。
「特にないですね」
すると、すぐさま刑事に答えるウサギ。
「そうか!君がそう言うなら間違いないね!いやぁ、心強い味方を手にしたなぁ!」
……こうもウサギばかりを信用しているのも腹立たしいもんだな。
しかし、ウサギには感謝せねば。
こいつがいなかったら、というか、こいつの父親が警視総監ではなかったら、今こうしてここにいることはできないからな。
「ちぃちゃん、これでホントに乱魔、捕まえられるかなぁ?」
ウサギがあたしにだけ聞こえるように、耳打ちしてきた。