これを『運命の恋』と呼ばないで!

「だって、私の仕事ぶりが心配で先輩がミスをしたらいけないでしょう?」


そんな事ある訳ないけど言い訳に使う。


「俺はそんなことでミスしたりしねぇよ」


呆れながらの返事がある。


(でしょうね)


もはや反論の仕様もない。



「でも、お前のことは心配してるぞ」


またしても耳を疑うセリフ。
デスク上を片付けてる手を止め、前に座ってる人の顔を確かめた。


先輩は間違いなくこっちを見ていた。
呆れるようないつもの顔つきではなく、真剣そのものだった。


「毎度毎度お前の危機を見てきたせいかな。なんかどうも心配で落ち着かねぇ」

「す……すみません……」


つい謝ってしまった。
先輩はプッと吹き出し、「謝らなくてもいい」と答えた。


「本社で仕事してる間もお前のことが気掛かりで仕方なかった。仕事のことよりもお前自身がどうにかなってるんじゃないかと思うと気が気でなくて。俺の日常に深く入り込んできやがって、お陰で俺はこの2、3日寝不足気味なんだぞ」


「ど…どういう意味ですか?」


私がいつ先輩の日常に入り込んだ。
そりゃ仕事上のミスで散々迷惑はかけてきてるけど、そこまでの事はしていない。


「意味分かんねぇのかよ」

「わ…分かりません、さっぱり」


頭の中が混乱してる。
お昼休みと言い今と言い、先輩はいつもと違う。