これを『運命の恋』と呼ばないで!

願いながら斜め前の人を見た。

これが最後のランチになっても、私は決して後悔しない。

ざるうどんと豚しゃぶの思い出を背負って、天国への階段を駆け上がってもいいんだ。




午後の私はダメダメモードに戻った。
先輩とのお昼ご飯が忘れられず、ミスばかりを繰り返してしまった。


「バカ山、お前は何度同じ失敗をすればいいんだ」


先輩の怒ってる顔も笑ってる様にも見える。
どうやらこれは末期症状らしい。


(帰りにでも、もしかしたら死ぬのかも……)


心残りのないように仕事をしておこうと思ったら、いつも以上に遅くなってしまった。



「ふぅ…やれやれ…」


吐息と共に呟く。
それを向かい側で聞いてた鬼は、ジロッと睨みを利かせた。


「お前な、毎度のことだけどいい加減にしろよ?俺はもう直ぐいなくなるんだぞ?汐見に厄介なんて掛けるなよ」


「はい……それだけは十分承知してます……」


汐見先輩には部長カレシが付いてる。
私がどうしようもない社員だとバレれば、即刻リストラされてしまう。


「でも先輩、私は先輩が赴任されるまでに、何とかこのダメダメぶりを改善したいと誓いましたから」


ガッツポーズを見せて喋った。


「何に誓ったんだ」


「神様に」


ポカーン…とした顔をされた。
その顔を眺め、鼻の奥がつぅん…と痛くなった。