そして ディスプレイの振動で目が覚めた。
「たく?!」
迷わずメールを開いた。
たくなら
本当にたくだったら。
心臓は早い鼓動を鳴らした。
『ずっと、連絡とれなくて ごめん
明日 時計台のとこで待ってる、入学式終わったら来て』
さらに鼓動が早くなった。
このメールはたくが打ったメールで間違いないんだよね?
これが 本当なら。
明日 たくに会える!!!
さらに 鼓動は加速した。
だけど。
たくさんの 疑問が浮かぶ。
何で こんな 時間?
液晶画面で確認すると もう夜中の 2時。
たくは 今何をしていた?
どんな生活をしているの?
入学式終わったらって。
たくも明日入学するんじゃ、ないの?
地方にいるたくは。
いつもより とっても忙しそうで
電話もメールもないから どこか 遠い存在に
なっていた。
正直、今たくの気持ちが 私にあるか なんて
自信はない。
だけど 1つだけ 変わらないものは。
それは。
私は どんな かたちでも 今でもたくが 好きだということ。
ただ それだけは 絶対に変わっていない。
たくの 気持ちが どこに あっても。
たくは、 元気 かな。
メールをくれた だけで 変なことだろうけど
生きている って わかったから。
たくは また格好よくなったり してるのかな。
お父さんの 体調は 大丈夫かな。
たくの存在が リアルになってきて。
明日 たくに 会えるなら 腫れた目を 治さないと。
保冷剤で冷やして 朝を待った。
朝
いつもより 早起きして、
カーテンを開ける。
気持ちは何だろうと 今日から私は女子高生! JK!!!
理想は はるばるとした快晴。
現実は どんよりとした雨空。
ふと思う。
今日、たくに 会えるんだ。
それが いっぱいいっぱい 嬉しくて。
何よりも 嬉しくて。
いちばん嬉しくて。
入学することよりも、 可愛い制服をきることよりも、 たくと会えることは
いちばん 嬉しいこと。
離れたことがなかったから わからなかったけど、 ほんの少しの間 たくがいなかっただけで たくの偉大さを知った。
もう たくは 私の 一部になっていて。
ないとだめに なっている。
自分の制服姿よりも、
たくの 元気な姿が見たくて。
校長先生の声よりも
たくの 声が聞きたくて。
