純粋にあの頃言えなかったお礼を、華に伝えたい気持ちだったんだよな‥‥


 まさかね…

 あんな事で悩んでいたなんてね‥‥
いや、華にとっては重大な悩みなんだよな。

 自分に置き換えて考えたら、誰かに『大丈夫!!』って言われたくなるよな。


 いつしか俺は、悩みを打ち明けられたりすると、自分に置き換える癖がついた。


 そしていろんな事を想定してしまう。


 なぁ、華……

 お前にとっては、物凄く、屈辱的で苦しかったんだよな。

 人はさ、様々な悩みや試練を抱えて生きてるんだもんな。

 だから、自分を左右しちまうくらい、重大な壁にぶつかってもがくんだよな。


 でもさ、まだ、『助けて!』のサインが出せるうちは幸せなのかもしれないよ。

 苦しみの世界にどっぷり浸かると、助けてが言えなくなって、それを隠す様に生きて、もがき地獄に嵌まるからな。


 お前がその地獄に行かず、這い上がれるなら、その手段が俺なら………

 それでいいよな?