溺れる恋は藁をも掴む

　アキが連れて行ってくれた、イタリアンのお店は、大人のデートを盛り上げてくれるような、お洒落なムードが漂う店内。

　店員は白いシャツに黒いベストにパンツという、キリリとした制服姿で出迎えてくれる。

　カウンターの横にあるガラスケースの中に、沢山のチーズなどが並べてあったり、ワインの種類も豊富らしく、ソムリエまで居る。


　なんだか嬉しくなった。
ーーこんなお店でアキと食事が出来るなんてーー

　アキと向かい合わせに座り、メニューを見ながらオーダーを決める。

　「三浦はワイン大丈夫？」

　「うん。大丈夫」

　ソムリエを呼び、味の好みを聞かれて、甘めの白ワインをオーダーした。

　料理のオーダーは、チーズの盛り合わせと、
アキお勧めの生ハムとアボカドのパスタ。
アンチョビのピザ、サーモンとオニオンのサラダなどを頼む。

　届いたワインで乾杯した。


　【カチン】と、綺麗なガラス音のぶつかった音が鳴り響く。

　甘めのワインを喉に注いだ。


✾✾✾


　「三浦は覚えてるかな？」
アキは意味深な事を言う。

　そして、アキはワイングラス越しに私を見た。


「えっ！？なにを？」

　ーードキッとするじゃんーー