その日の放課後、私はお兄ちゃんたちの仕事場に向かった。





コンシェルジュのいるロビーに入ると





「ご用件は何でしょうか?」





キレイな品のある女の人。





「しら…(じゃなくて)、有栖川 空海です。有栖川 湊または煌はいますか?」





久しぶりに使う自分の本名に妙な違和感を覚える。