それから車で沖縄の街に入った。
当たりは薄暗くなり始めていた。
沖縄って失礼な話、さとうきび畑だらけだと思ってた。
こんなに都会があるんだ。
しかも顔が濃いし、外国の人も多いから、日本であることを忘れちゃう。
海だってすごく綺麗!
沖縄ってこんな素敵なところだったんだ。
そして幸治さんが連れてきてくれたお店は、沖縄の郷土料理店。
とてもオシャレなんだけど、味はいつか食べたことのあるような懐かしい味。
初めての沖縄料理なのに。
だけど、調子に乗って食べられない。
だって・・・・・・。
あまり塩分の濃いものは、心臓によくないから。
「かな、どうした?食欲ないか?」
「いえ、塩分の摂りすぎは良くないかなって。」
「大丈夫だぞ。
ここの料理、塩分が濃い味付けに思えるけど、そんなことないんだ。
そういうふうに引き立ててるだけで、塩分はかなり控えめ。
ここな、病院の患者さんの親御さんに聞いたんだ。」
「え?」
「沖縄から治療のためにやってきた子がいて。
その親御さんと世間話してたときに聞いたんだ。
結構、沖縄の人で健康に気を遣ってる人とか、お年寄りなんかが特に利用してるみたいだぞ。」
へ~。知らなかった。
そして何よりも、
「幸治さんって、仕事中に世間話なんてするんですねっ。」
そこに驚いた。
「ハハッ。世間話ほど大切なものはないぞ。
子供相手だから、かなみたいに子供と話すのを得意としてれば、一番いいんだけど。
でも、子供のことをよく見てる親御さんからも、貴重な話が聞ける。
ただ診察のときに親御さんから、子供の異変について聞こうと思っても、親御さんも緊張してるし、言い忘れたこともある。
異変だけじゃなくて、その子その子の普段の生活や習慣、それに性格だって聞いておかないと。
それらが治療の役に立つんだ。」
「へ~、そうなですね。」
幸治さんはやっぱりすごいっ!!!
私もこうなりたいな。
幸治さんと話ながら食事をしていると、あっという間に時間が過ぎていった。
普段忙しい幸治さんと、こうやってゆっくり話せるなんて今しかない。
これから忙しい毎日を送るんだろうな。



