「今日は疲れただろ?」
時計を見ると既に夕方だった。
式のあとは盛大に披露宴が開かれた。
ほとんど幸治さんの病院関係の人ばかり。
私の知り合いと言っても、たけるとまいだけだった。
そこで驚くことを知った・・・・・・。
「まさか、兄弟だったなんて、知らなかった。」
私はタキシードを脱いで、私服に着替える幸治さんの背中に話しかけた。
「俺も。
まさかかなが知らないなんて、思わなかった。」
「だって、だって!!!一言もそんなこと言わなかったんですよ。」
まさか、たけると早川先生が兄弟だったなんて。
確かに、たけるには同じ大学を卒業した医者のお兄さんがいたけど。
・・・・・・そうか、たけるも苗字が早川だ。
普段苗字を耳にすることはないから、忘れてた・・・・・・。
「じゃあたけるが頭がいいのも納得・・・・・・。」
「まぁ、いいじゃんか。
そんなことだから、4月からは俺がたけるくんの指導員。
かなは早川先生だぞ。」
あっ、そうなるんだ!
「早川先生には、卒業してもお世話になるんだ。」
そうつぶやくと、私の隣にやってきた幸治さんが、
「今日はこれから親父たちと食事して帰るから、そろそろ着替えろよ。」
といい、私の真後ろに。
「なんなら、俺が脱がせてやるぞ。」
「キャッ!」
思わず、手で防御。
「夫婦なんだから。」
とニヤッとした顔で私を覗き込んだ。
もうっ!
私、顔真っ赤・・・・・・。
幸治さんはそんな冗談をいいながらも、私が着替えやすいように、外に出て行った。