あぁ、怠い・・・・・・。
目を覚ますとお昼を過ぎていた・・・・・・。
熱があったなんて。
口から出ていく息が熱い・・・・・・。
胸がまだざわついてるから、息を吸うのも辛い。
出ていく息がもったいないくらいに思える。
なんてボーっとしながら考えていると、部屋の扉が開いた。
「かなっ!!!」
あ、、れ?
幸治さん。
「進藤先生から聞いて、来たぞ。」
そういいながらベッド沿いの椅子に腰掛ける。
「悪かったな・・・・・・、昨日疲れさせちゃったから今日こんなことに・・・・・・。」
「そんなことっ!たまたま二回もあの子に会ったから。
それに何だか昔の自分を見てるみたいで。」
「はは、まぁそうだな。
知ってのとおり、彼女も心臓の病気なんだけどな、あんまり経過が良くないから、簡単に手術できないんだ。
何を考えているのか・・・・・・俺には。」
そういい、幸治さんは少し疲れた表情をした。
「う~ん、それは本人にしか分からないことだと思いますけど。
ただ、自分が思っているように体は言うことを聞かないし、自分以上に自分の体を知っているってわかっていても、医者や看護師から口うるさく言われるのも納得できないし。
そんな格闘があるから、イライラしちゃう。
分かってはいるんだけど、素直になれない年頃・・・・・・なのかもしれないです。
って、幸治さんでも悩むんですね。」
「へ?」
「だって、私のときなんか、ものすごく厳しいこと言ってたし。
そんな私のことで悩んでいるようには思えませんでした。」
「はは、そんなことないぞ。
かなとの昔のことを思い出していたからこそ、一番慎重になったし。
それに、あの時以上に悩んだ時はないぞ。
あっても、それは全てかなのことだけ。」
そんな真面目な顔して言わないで。
と恥ずかしがっていると、
「それだけ問題児ってこと。」
とあっさり言われた。
なんだ・・・・・・。
少し悲しい顔をしてみると、
「うそうそ、その頃からかなのことが大切だったんだよ。」
なんて言いながら私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
もうっ!!不意に優しくなるんだから。
「でも、かなに話してスッキリしたし、脱走する患者の気持ちがわかって良かった!
ありがとうな、かな。」
チュ!
ちゅ?
不意に唇を奪われ、顔面真っ赤になった。
「あらら、熱が上がっちゃった。
まぁ今日はゆっくり休めよ。」
そういうと幸治さんは部屋を後にした。
もぉ~!人の心を掻き乱してっ!!!
それでも久しぶりにキスされて、嬉しかった。



