未知の世界4


あぁ、怠い・・・・・・。






目を覚ますとお昼を過ぎていた・・・・・・。






熱があったなんて。






口から出ていく息が熱い・・・・・・。






胸がまだざわついてるから、息を吸うのも辛い。






出ていく息がもったいないくらいに思える。







なんてボーっとしながら考えていると、部屋の扉が開いた。







「かなっ!!!」






あ、、れ?






幸治さん。






「進藤先生から聞いて、来たぞ。」






そういいながらベッド沿いの椅子に腰掛ける。





「悪かったな・・・・・・、昨日疲れさせちゃったから今日こんなことに・・・・・・。」






「そんなことっ!たまたま二回もあの子に会ったから。






それに何だか昔の自分を見てるみたいで。」






「はは、まぁそうだな。






知ってのとおり、彼女も心臓の病気なんだけどな、あんまり経過が良くないから、簡単に手術できないんだ。






何を考えているのか・・・・・・俺には。」






そういい、幸治さんは少し疲れた表情をした。






「う~ん、それは本人にしか分からないことだと思いますけど。





ただ、自分が思っているように体は言うことを聞かないし、自分以上に自分の体を知っているってわかっていても、医者や看護師から口うるさく言われるのも納得できないし。





そんな格闘があるから、イライラしちゃう。






分かってはいるんだけど、素直になれない年頃・・・・・・なのかもしれないです。







って、幸治さんでも悩むんですね。」







「へ?」






「だって、私のときなんか、ものすごく厳しいこと言ってたし。





そんな私のことで悩んでいるようには思えませんでした。」






「はは、そんなことないぞ。






かなとの昔のことを思い出していたからこそ、一番慎重になったし。





それに、あの時以上に悩んだ時はないぞ。






あっても、それは全てかなのことだけ。」






そんな真面目な顔して言わないで。





と恥ずかしがっていると、







「それだけ問題児ってこと。」







とあっさり言われた。






なんだ・・・・・・。





少し悲しい顔をしてみると、






「うそうそ、その頃からかなのことが大切だったんだよ。」





なんて言いながら私の頭をくしゃくしゃと撫でた。






もうっ!!不意に優しくなるんだから。





 
「でも、かなに話してスッキリしたし、脱走する患者の気持ちがわかって良かった!






ありがとうな、かな。」






チュ!






ちゅ?





不意に唇を奪われ、顔面真っ赤になった。






「あらら、熱が上がっちゃった。





まぁ今日はゆっくり休めよ。」






そういうと幸治さんは部屋を後にした。





もぉ~!人の心を掻き乱してっ!!!






それでも久しぶりにキスされて、嬉しかった。