未知の世界4


病室はピリピリとした雰囲気に包まれたが、すぐに採血の用意をした看護師がノックをしたので、緊張が和らいだ。






心臓に負担をかけるので、あまり良子を興奮させてはいけない。






しかし、病気と闘う気力がないのも困る。






良子は良子で、厳しく管理された入院生活の中で、溜め込んだストレスの行き場がない。






しかし、幸治を怒らせることをしていることも自覚している。


     




お互い緊張した空気が破られ、どこかホッとしている。







部屋に入ってきた看護師に、良子の採血をさせる幸治。






「良子ちゃん、ごめんね。」







と言いながら、両手で良子の腕を伸ばし、台に乗せてチューブをきつく巻く。






良子の腕はもう刺す箇所がないほど痣だらけになっていた。







「はい、終わったよ。」







そう言う看護師が、良子の腕を元に戻し、採血道具を片付ける。







「夜間ですが、今から検査に回してください。」






そう看護師に指示する幸治。






「はい、分かりました。」







そういい、看護師は部屋から出て行った。






「今日は早く寝なさい。」






そう良子の顔を見ながら幸治が言うが、良子は顔をよそに向けて返事すらしない。






幸治は仕方なく、部屋を後にした。