それから雑誌を読み終えると、やることもなくなり、部屋に戻った。
はぁ、退屈・・・・・。
なんて考えていると、気づくと夜のご飯が運ばれてきた。
それと同時に、部屋に入ってきた幸治さん。
「かな、どう調子は?」
久しぶりに白衣姿の幸治さんを見ると、胸が締め付けられるようにキュンとなる。
「なんだよ、ボケーっとして。」
「い、いやっ!!!そうじゃなくて・・・・。
久しぶりに幸治さんの白衣姿を見て・・・。
相変わらず格好いいなって。」
照れて前を向けない。
「ば、馬鹿か。」
なんて言いながら、幸治さんも嬉しそう。
「調子はいいです。かゆみもだいぶ治まってきて、手の腫れも引いてきました。
今日、皮膚科の外来を受けて、塗り薬ももらってきました。」
「そうか、なら良かった。飯、俺もここで食うからな。」
え、そのために来てくれたんだ!
「ふふふ。」
「何、その不気味な笑い。」
「いえ、幸治さんと食事できるのが嬉しいです。
今日は当直でしたっけ?」
「いんや、帰っても一人じゃつまらないし、それに、ちょっと気になる患者がいてな。」
そうなんだ。大変そう。
「ところで、今日の午後、待合室に行ったら、少し気になる子が・・・。」
そう言って、私は午後に会った心臓病の女子高生のことを話した。
「それマジか・・・・・。」
そう言うと、慌てて残りの食事を済ませた幸治さんは、「早く寝ろよ。」と言うと、部屋を出ていった。
せっかくゆっくり話せると思ったのに・・・。
なんだか淋しい。
でも、きっとさっきの患者さんは、幸治さんのいる小児科の子で、幸治さんの担当患者さんなのかも知れない。
そう思うと、もっと早く幸治さんや誰か他の人に言うべきだったんだ。
はぁ、来年には病院に出て研修医として働くのに、そんなことに気が回らないなんて・・・・。



