目を覚ますと、ベッドに横になっていた。
あれ?なんだかいつもと違う部屋。
あれ?
まだ傷口が完全になおっていない胸をかばいながら起き上がる。
どこだ、ここ。
ベッドはキングサイズなのかな?
ふかふかのマット。これって、トゥルースリパー?
また眠くなりそう。
部屋にはベッド以外に素敵な鏡台もある。
その他は家具のない部屋。
あれ、これって、お客さん用に使ってた部屋?
なんて考えていると、部屋の扉が開いた。
「かな?
起きたか。」
幸治さんが入ってきた。
「ここって、今まで使ってなかった部屋?」
「あぁ、俺達の寝室。」
へ?
「いい加減一緒に寝てもいいだろ?
それぞれの部屋は勉強や仕事の時や、どっちかが風邪引いた時には使えるから、そのままだ。
まぁ、俺が風邪引いた時だけな。」
「え?私が引いたときは?」
「そんなときこそ一緒に寝ないでどうするんだ?」
あ、そうか。私の場合は、そうか。
「っえ!?
今日もここで寝るんですか?」
「嫌か?」
「い、いや・・・・・・。そんなことは。」
私の心臓、やっぱりもちそうにない。
すると、幸治さんが私の額にキスをした。
それから私をベッドに押し倒した。
といっても、背中を支えながら。
幸治さんは私に覆いかぶさって、今度は唇に。
「んっ。」
声が出ちゃう。
すると幸治さんは私から離れるように起き上がった。
「ヤバいヤバい。
これからのこと考えたら、気持ちがつい・・・・・・。
それに、かなの声聞いたら、俺、自分を止められないかと思った。
まだここが治ってないのにな。
当分先だな・・・・・・。」
そういって私の心臓を指差した。
トクン
幸治さんに胸を見つめられて、胸の鼓動が大きな音を立てた。
今日の夜はまだ何も起きないと思うと、ホッとした。
いつか幸治さんとつながるその日を考えるだけで、緊張する。
幸治さんを見ると、顔が真っ赤。
あれ、また照れてる。
今まで相当我慢してたのかな。
こんな素敵な寝室まで用意してくれて。
私は嬉しかった。幸治さんが、私を想ってしてくれたことが。
そして今まで、口に出して言うことはあまりなかったけど、私を好きでいてくれたこと。
チュ
と幸治さんの頬にキスをする。
「顔が赤いよ。」
私がそう耳元で言うと、幸治さんはさらに真っ赤になった。
「ば、馬鹿!」
照れてる。
「今からしたっていいんだぞ。
そのかわり、傷口がパッカリ開くぞ!」
ヒャッ!
と思い、胸に慌てて手を当てた。
「はは。冗談だ。
好きな人の体を傷付ける奴がいるか?
治ったら容赦しないけどな。」
その言葉に今度は私の顔が真っ赤になった。
それから私たちはリビングへ向かった。
既に夜になっていて、幸治さんが出前を取ってくれていた。