「かなちゃん、起きたね。
かゆいけど、かゆいときはナースコールしてね。
かくと余計にかゆくなるから。
これからかゆみ止め注射するからね。これでだいぶ落ち着くよ。」
早く早く、注射してください。
こんなこと思ったの初めてかも。
「かな、何か変な物食べたか?」
幸治さんに聞かれる。
う~ん・・・・・・。
「水膨れに何か塗ったのか?」
あ、水膨れのこと忘れてた。でも薬は塗ってない。それは大学での医務室でも。
私は首を左右に振って、口を開いた。
「幸治さん、ごめんなさい。」
「ん?」
「手の平の水膨れのこと。幸治さんにお粥作ってたんだけど、つい熱い鍋を触っちゃって。」
「まぁ、俺もかなに迷惑かけてたし、悪かったな。早く気付いてやれなくて。もう大丈夫か?」
そういって、私の右側に来て手を触る。
「手まで腫れ上がっててよく水膨れが分からない・・・・・・。
まぁこの腫れが引いたら、水膨れの薬を皮膚科でもらえばなんとでもなるから。」
「良かった。」
話しているとかゆみがだいぶ減ってきた。
そんなことを考えていると、カーテンが開いた。
「かなちゃん、大変だったね。」
あ、進藤先生。
私の主治医の進藤先生が来た。
「これ、血液検査の結果。」
早川先生と幸治さんが目をやる。
何だったんだろ。このかゆみの原因。
すると幸治さんがこちらを見る。
「かな、最近何か薬飲んだか?」
あ、市販の薬。
「はい、家の救急箱に入ってた風邪薬を・・・・・・。」
「バカッ!勝手に飲むな!」
「え?え?だって、そのための救急箱じゃ・・・・・・」
「風邪引いてたならちゃんと言いなさい!」
「幸治さんの風邪もあの薬で治ってたし。」
「かなには強すぎるんだよ。
今まで市販の薬って飲んだことあったか?」
「喘息になる前、すごく昔ですけど、一度だけ。」
「それだよ。
かなちゃんには薬の免疫があまりないから、病院で出す余分な成分の入っていないものでないと、こうやって副作用で蕁麻疹(じんましん)が出ちゃうんだ。」
進藤先生が会話に入る。
「え・・・・・・。副作用。」
「いつも体調悪くても黙ってるから、こういうことになるんだぞっ。」
と言うと、幸治さんは私の顔を両手で挟んできた。
「うひゃっ、ごへんっなひゃいっ!!!」
アンパンマンみたいな顔にされる。
その顔を見て、皆が笑った。
ひどい・・・・・・。
でも理由が分かって良かった。



