~その頃、幸治は。
「佐藤先生、今日は上がってください。
今日は僕の当直ですから、佐藤先生の患者さんは僕が診てます。」
早川先生が幸治に声を掛けた。
そう、昨日の夕方、マンションの前でかなに会った幸治は、帰ってくるなり担当患者の容態が悪くなり、それから病院に戻って寝泊まりをしていた。
お昼に一度帰ったが、再び病院に戻り仕事をしていた。
「すいません。もし何かあれば、いつでも連絡ください。」
「えぇ。
それより、かなちゃんの話を聞いてあげた方がいいかも知れません。
」
幸治は早川先生に、昨日のかなの様子を相談していた。
「えぇ、話してくれるかわかりませんが。
それではお先に失礼します。」
そういって病院を後にした。
皮膚科で処方してもらった傷薬を手にして。



