退院の日、幸治の迎えで、かなは病院を後にした。






「幸治さん、ごめんなさい。」







運転する幸治の隣で、かなが謝った。






「何が?」







「まだアメリカでの仕事が残っていたのに。」







そういうと、幸治は車を止めて、かなに向き合った。







「気にするな。もうあとは引き継ぎくらいしかなかったんだ。







それに、早くかなに会いたかったからな。」







そういうと幸治はかなの頭を片手で引き寄せ、キスをした。






「んっ!」






一度離れたが、再び幸治はかなの唇に力強くキスをした。






「はぁっ。    







ずっと我慢してたんだからな。






アメリカでは忙しくて、こんな時間なかったし。






親父たちに認めてもらえたんだから、これからは覚悟しとけよ。」







そういうと再び車を走らせた。 
   





幸治さん、突然キスするなんて。    






やっと治った心臓。私、またおかしくなっちゃうよ。


   




それに覚悟しとけ、なんて。     




  


顔が耳まで真っ赤になってる気がする。      







チラッと幸治さんを見ると、








あ、幸治さんも真っ赤!






幸治さんでも照れることって、あるんだ。







なんだかほんわかした気分だった。