今、カーテンのされた休憩室のソファに座っている。





目の前には石川先生と進藤先生。






私の座るソファの傍に立っているのは、幸治さんと早川先生。  






何でこんなに大勢・・・・・・。






「昨日の結果、昨夜のうちに伝えなければいけなかったね。






こんな形で知ることになってしまってごめんね。」






と、進藤先生が口を開いた。






私の目の前には、心電図とここ最近の喘息のピークフローを表した図。






研修医の私でも分かる。






喘息の悪化と心電図の波形が比例してる。






どちらも数値は最悪となっていた。







「このままで行くと、いつか取り返しのつかないことになる。」








深刻に話す進藤先生。







この結果を見れば、私だって分かるよ。







だけど・・・・・・。聞きたくない。







「僕は主治医として、かなちゃんがなんとしてでも研修を続けられるようにしたかった。






けど、ここまでくると、もう続けさせるわけにはいかない。」







進藤先生がそういうと、









「俺も、指導員としてそして、医者としてこれ以上仕事をさせるわけにはいかない。」









石川先生がキッパリと私の顔を見て言う。








私は何も言葉が出なかった。









「かな・・・・・・。ここまでよく頑張ったよ。








だけど、これ以上は続けさせる訳にはいかない。」







幸治さんがいつもより優しく私に話す。








皆の言葉が優しく言われてるんだろうけど、私にはそうは聞こえない。








『お前は必要ない。これ以上一緒に仕事をして、倒れられたら困る。体力のない医者は必要ない。』







そう言われてるように解釈してしまう。