今回の当直は珍しく、朝までぐっすり眠ることができた。 朝の回診を終えて、午前中にカルテを整理して何もなければ帰れる。 帰り際、石川先生が私の方を向いた。 「もう上がるけど、吸入だけはしてけよ。」 そう他の人には聞こえるかどうか分からないくらいの声で。 「あ、はい。」 帰ることしか頭になかった私は、思い出したかのように検査室に向かった。