「朝から忙しそうにしてたね。」
午後2時となり、ようやくお昼ご飯をとることができた。
「たけるもこんな時間に食事?一人?」
「あぁ、佐藤先生は今日、違う病院のオペに出張してて。
僕も行きたかったけど、研修中だから連れてってもらえず。
さっきまで今日だけ特別についていた先生と、救急にお手伝いに行ってて。
かなも一人?」
「そうなの。
石川先生、すごい仕事できる方みたいでカルテの整理が終わったら先に食事を済ませてもらっていたんだけど、私はなかなか終わらなくて。」
まだ患者さんの受け持ちの少ない石川先生だけど、積極的に外来を受けたり、他の先生の患者さんの様子を見に行ったりと、とにかくタフだった。
それはいいんだけど、口数が少ないから、何を考えてるか分からない。
「そっか、せっかく慣れた小児科だったけど、指導員が変わるとまた一からだよね。
もともとみえた先生ならまだしも、まだこの病院にも慣れてない先生だとね・・・・・・。
まぁ、体に無理しないようにね。
かなはすぐに無理するから。」
「アハハ・・・・・・・」
そういわれ、笑うしかできなかった。
すると食堂の入り口から、
「おい、佐藤っ!」
見ると石川先生。
「は、はいっ!」
慌てて返事をする。
「もう食べたか?救急に応援だ。」
「は、はいっ!!!今行きます。」
ほとんど手をつけてない定食をたけるにあげて、私は慌てて食堂を出た。