回診の時間になるの早川先生と悠斗くんの病室へ。
「おはよう。」
と言うなり、早川先生は忘れ物をしたといって医局に戻った。
「悠斗くん、おはよう。」
私を見上げるとすぐ、
「先生・・・・・・ごめんなさい。」
泣きそうな顔の悠斗くん。
「大丈夫だよ。体は何もなくて良かったよ。」
ベッド沿いの椅子に座り、悠斗くんに話す。
「退院、なかなかできなくて焦ってた?」
頷く悠斗くん。
「一緒に入院した子たちは皆、退院してるし。
大会にはもう出られそうにないし。」
「そうだよね。辛いよね。」
「だけど、あんなことした自分が今では阿保らしく感じてる。
本当に先生、ごめんなさい。」
「いいの。私はもう平気だから。」
「本当?先生、痩せたよね?」
「えっ!?」
すごい観察力・・・・・・。そんなに私、痩せた?
「頬がこけてる。」
そういわれ頬をさする。
確かに・・・・・・。
「さすが悠斗くん!
悠斗くんからもちゃんと食べるように言ってね。」
ん!?幸治さんさんっ!!!
振り向けば幸治さん・・・・・・。
その横に早川先生がニヤニヤしている。
「今日のお昼、ちゃんと食べるように早川先生に見ててもらうからな。」
「はい・・・・・・。」
私が幸治さんの前でしゅんっとなってると、
「ハハハ!佐藤先生が佐藤先生に怒られてるっ!!!
ん?佐藤先生・・・・・・。
って夫婦?」
と言われ、幸治さん顔を見た。
夫婦であることは皆知ってるつもりで働いてたけど。
そういえば患者さんは知らないんだ。
こういうときはどうしたらいいのかな?
「よく分かったな。俺達、結婚してる。」
私が悩んでいるのと幸治さんが助けてくれた。
こうやって言えばいいんだ。
「そっかぁ・・・・・・。残念だなぁ。」
口を尖らせる悠斗くん。
「歳もそんなに離れてないし、可愛いから狙ってたのに・・・・・・。」
ぇえっ!!!高校生にっ!?
「あー、止めとけ止めとけ。
肝心なことは言わないし、隠すし、大変なだけだぞ。」
幸治さんが手をヒラヒラさせながら言う。
「ひどぃ・・・・・・。」
小さい声で呟いたけど、確かにそうだから、それ以上反論できない・・・・・・。
「佐藤先生が相手なら、絶対に敵わないなぁ。」
もう・・・・・・。皆、酷いなぁ。
そんなこんなで悠斗くんの件も一段落しそう。



