未知の世界4


担当患者が減って、落ち着いてきたので、久しぶりに良子ちゃんのベッドを訪ねた。




病室には悠斗くんはいなかった。





待合室かな?






「良子ちゃん、入るね。」





閉められたカーテンを開ける。





「どう?調子は?」





雑誌を読んでいた良子ちゃんが顔を上げる。





「かなちゃん・・・・・・。






まぁ、相変わらずだよ。」 






「ハハハ。





ご飯は食べてる?」






「あんまし・・・・・・。





何もしてないから、お腹空かないし、まずいし。」






そうだよね。私も・・・・・・。






「ってか、かなちゃん、食べてる?」







ギクッ!!!


   




「まぁまぁ、ぼちぼち。」







「図星だっ!」





といい、声に出して笑う良子ちゃん。






「私、退院しても行く場所ないし。」






突然暗くなる。







「家には帰りたい?」






「・・・・・・う~ん。あんまり。






早く働きたいな!」







「そっかぁ。







今年3年生だよね?何か将来の夢とかは?」






「よくわかんない。だって、今まで病院ばかりだったから、どんな仕事があるのかも分からないし。





かなちゃんは?どうして医者なの?」







「私も良子ちゃんと一緒だったよ。






私はいつか高校を出たら就職って思ってたけど、ある人に医者を奨められて。






まぁ、全てその人の後押しがあったから大学にも行けたんだけどね。」








「へぇ~。






私にはそんな頭がないから、お金以前の問題だけどね。」







「看護師さんなら?






奨学金で学校に入れるよ!」





私は身近や職業を思いついて、看護師を良子ちゃんに薦めてみた。







「あ~、考えたことなかったかも。






だけど、寮のあるところもあるって聞いたことある。」







「それなら、家にいなくてもいいね。」






「うん。そこが一番魅力だね。」







良子ちゃんは、意外にも看護師という夢が有り得そうな、そんな表情だった。






「なんにせよ、早く体力つけて、退院して、高校で勉強することだよ!」







「はぁ~、すぐそこに持っていく・・・・・・。」







「そりゃ一応医者だも~ん!」





そういうと、二人で笑いが込み上げてきた。






そろそろ帰ろうとすると、







「そういえば、同室の子。







よく待合室で見かけるんだけど。







あの表情は気をつけた方がいいよ・・・・・・。







何か考えてる。脱走するか、危険な方に身を投げるか・・・・・・。







とにかく、近いうちに何かやらかすかもしれないから、要注意だよ。」








え?あの悠斗くんが?






そんな表情だったかな。確かに暗いけど。







「ありがとう、良子ちゃん!」







そういって、部屋を後にした。