早川先生が病室に入って、カーテンの閉まった未来ちゃんのベッドに向う。
他の子は、何となく事情がわかっているので、静かにしている。
「未来ちゃん、開けるよ。」
そういい、返事を待たずにカーテンを開ける。
未来ちゃんは天井を見つめたまま。
「診察するよ。」
そういうと、未来ちゃんは胸までかけていた布団を外し、パジャマのボタンを外す。
「吸って・・・・・・、吐いて・・・・・・。」
ゆっくり聴診をする。
タバコを吸っていたということを聞き、念入りに。
背中からも聴診した後は、喉を確認した。
「大丈夫そうだね。
佐藤先生から聞いたよ。」
天井を見つめていた未来ちゃんが、早川先生の方に視線を移す。
「君の気持ちも知らないで傷付くことを言って、すまなかったね。」
そういうと未来ちゃんは、早川先生の顔を見た。
まさか謝られると思っていなかったようだ。
「あ、あの・・・・・・、
その・・・・・・。」
なかなか言い出せずにいる。
「ごめんな・・・・・・さい。」
最後は涙を目に浮かべながら。
「ご、ごめんなさい・・・・・・。」
たまらず涙がこぼれ落ちる。
早川先生は、優しく未来ちゃんの頭を撫でた。
「大丈夫だよ。体は何もなかったし、心は少しは晴れたんじゃない?」
泣きながら未来ちゃんは頷き、返事をする。
「皆、最初は不安なことばかりだよ。
少しでも分からないことがあれば、誰にでも遠慮なく聞きなさい。」
早川先生の優しい言葉がさらに未来ちゃんの涙を溢れ出させた。



