未知の世界4


「失礼しまーす!」





内科の医局に入る。






進藤先生、進藤先生・・・・・・。






あ、いた!





「こっちこっち。」






私に向かって座って手をヒラヒラさせて呼んでいる。






進藤先生の座る席の隣に行くと、





「はい、これ。」





え?    




大量の資料を渡された。






「まだここに来るまで時間があるだろうから。





ここに書いてある症例はまだ知らないものばかりだろうから。






各科のものが入ってるから、一度目を通しておくといいよ
。」








パラパラっとファイルをめくる進藤先生の手元を見て、







ヒッ!!!






と小さな悲鳴を心の中であげた。




 

「あ、ありがとうございます。」






進藤先生はニコニコと嬉しそう。






こんなにもらって大丈夫かな。






「あらら、進藤先生、そんなにイジメたら可哀相だよ。」






隣の席の先生が、その様子を見ていて声をかけた。






「あ、全部頭に入れろとは言ってないからさ。





パラパラっと見るだけでも違うから。」








進藤先生が付け加える。







「あ、はいっ!!!





私のためにありがとうございます!」






少しタジタジしながら、お礼を言う。






「うんうん。それはそのままあげるから、返さなくていいよ。」







「えっ!?」






「僕はここに入ってるから。」






と自分の頭を突く。






ヒエー!!!







「進藤先生、そんなこと言うから、かなちゃんの顔が青ざめてるよ。」






隣にいた先生が私のことを実況中継している。






はぁ。がんばろう。  







小さく気合いを入れて、医局を出た。