「失礼しまーす!」
内科の医局に入る。
進藤先生、進藤先生・・・・・・。
あ、いた!
「こっちこっち。」
私に向かって座って手をヒラヒラさせて呼んでいる。
進藤先生の座る席の隣に行くと、
「はい、これ。」
え?
大量の資料を渡された。
「まだここに来るまで時間があるだろうから。
ここに書いてある症例はまだ知らないものばかりだろうから。
各科のものが入ってるから、一度目を通しておくといいよ
。」
パラパラっとファイルをめくる進藤先生の手元を見て、
ヒッ!!!
と小さな悲鳴を心の中であげた。
「あ、ありがとうございます。」
進藤先生はニコニコと嬉しそう。
こんなにもらって大丈夫かな。
「あらら、進藤先生、そんなにイジメたら可哀相だよ。」
隣の席の先生が、その様子を見ていて声をかけた。
「あ、全部頭に入れろとは言ってないからさ。
パラパラっと見るだけでも違うから。」
進藤先生が付け加える。
「あ、はいっ!!!
私のためにありがとうございます!」
少しタジタジしながら、お礼を言う。
「うんうん。それはそのままあげるから、返さなくていいよ。」
「えっ!?」
「僕はここに入ってるから。」
と自分の頭を突く。
ヒエー!!!
「進藤先生、そんなこと言うから、かなちゃんの顔が青ざめてるよ。」
隣にいた先生が私のことを実況中継している。
はぁ。がんばろう。
小さく気合いを入れて、医局を出た。



