「…優しいのは相変わらずだな。」 「え?」 「いや、なんでもない。」 そう言って、傘を広げて昇降口から出ようとする。 パーフェクトマンは後ろ姿までも様になるんだなあ、なんて思っていると、 上条君は急に後ろを振り返って私をみつめた。 「ほら、おいで。一緒に帰ろう。」 言っている意味がよくわからず、立ち尽くす。 「ここまで言って断られたら、さすがの俺も心が折れそうだ。それとも、俺と一緒なの、嫌?」