「よし紗夜ちゃん行くよ!」


お昼休み開始のチャイムが鳴った途端、後ろを振り向きながら詩帆ちゃんが言った。


「え…行くってどこに?」


「うーん、屋上とか?教室だと人多すぎてゆっくり話せないからさ。それに、紗夜ちゃんを可愛くしよう大作戦も決行しにくい!」


「なにその作戦名!?」


お、思わず突っ込んでしまった…


「よくない?他にもいろいろ候補はあったんだけどさあ…」


詩帆ちゃんが楽しそうに話し出す。


「聞きたい?」


「え、あ、いや、大丈夫です…」


「なら早く行こ!」


そう言った途端、詩帆ちゃんは私の腕を引いて歩きだした。