sayuri side.




ごめんなさい。


心の中で何度もそう、謝り続けた。




彼に届くはずも無いのに。






4年ぶりに帰って来たこの土地。




喜びと罪悪感で包まれていた。




中学生時代に憧れていた高校。




今日その高校にやっと通える。




予想以上に綺麗な校舎、廊下。




ある一つの教室のドアの前で止まる。




期待と不安を胸に、そっと、ドアを開けた。





彼がいない事を願って…………。