戦女神物語

地球圏統一国家の最新鋭機体プルートゥ、冥王星の名を持つその重厚な機体は2つの操縦系がある一つは従来のマニュアル型、もう一つは体内のナノマシンを使った思考型操縦系だ。

(廃止された操縦系を使うとは…地球圏統一国家はこう言う時を想定していたのか?)

こう言う時…異星人との戦闘を意図しての意味を含んでいる。

相手は此方の常識が通じない相手だ…なら、パイロットの安全性生存性を重視しなければ行けない相手の戦力規模が分からないのならば尚更だ。

(ナノマシン操縦系が使えるのなら好都合だ…。)

シューマは先の大戦の際に自らの身体にナノマシンを埋め込んでいたのだ。

しかし、ナノマシンと言う異物を埋め込むことに抵抗を覚える人々が多く廃止されたのだったがフォン王国は大戦末期ナノマシンを使った精鋭部隊を数多く保有していたのだ。
シューマもその中にいたのだ。

(5年前は酷かった…)

シューマは昔を思い出していた。

(地球圏統一国家によるサイバー攻撃によりナノマシンを埋め込んでいたパイロットは暴走…敵味方の区別を着けず見境無く攻撃を開始した…。いち早く気づいた俺はナノマシンの機能を切り戦った…生き残るために…その結果多くの敵味方を殺し死神と比喩される羽目になった…。)

それがシューマが死神と言われる理由だ。

(しかし、この機体…装備がスゴいな…)

プルートゥはビーム兵器を標準装備し装甲も特殊でナノマシンにより多少の損傷を自己再生することが出来るのだ。

「なぁ、あんた…あのシューマだろ?」

突然シューマは整備士に声を掛けられた。

「あんたは?」

「ここの整備班長だ。取り敢えずナノマシン操縦系のデータが欲しいデータの収集を頼みたい…。」

「データを…例えば?」

シューマは聞き返した。

「出来うる限り多くの戦果を挙げてくれ。此方も出来うる限りの事はする。」

それを聞いたシューマはニヤリと笑い様々な提案をした…。