戦女神物語

月面では幻影騎士団が地形を巧みに使った戦術で地球軍のAS部隊を翻弄していた。

「宇宙人がぁ!地上じゃ負けねぇんだよ!」

ランサードがマシンガンをアウド機に向けて撃つ。

「何処を狙っている!」

アウドは岩影に隠れマシンガンを防ぐとスラスターを噴射し跳躍しランサードをそのまま着地しながら縦に一刀両断する。

「討ち取った!」

そのまま両刃剣に付いたランサードのオイルを振り払いビームライフルを構えて別のランサードの足を撃ち抜いた。

ランサードは転倒する。
その衝撃でマシンガンが暴発し味方機を撃墜する。

「アウド!出過ぎよ!」

クスィートがアウドの隣に近づいてきた。

「申し訳ありません!」

「気を付けるのね…」

二人が会話をしていると更に増援のランサードが到着した。

「数の割りには大したことないな!」

キリングは両刃剣とランサードから奪った剣を両手に持ちランサード3機を切り裂いた。

騎士は機体にダイレクトに動きを反映させることができる、機体の動きも柔軟で例え敵が銃撃をしてきても銃弾を剣で切り捌く事も可能な為好んで接近戦を行うものも多い。

「後、少し…少しだ!」

キリングはランサードの銃弾を剣で切り捌きながら月面基地へ向かおうとするがクロドに止められた。

「待て、母艦が攻撃を受けた!一旦母艦の救援に向かうぞ!」

「後、少しの所を!」

キリングは口惜しそうにランサードを真っ二つにして後退しようとするが月面へ突入する3機の機影を確認した。

(見たことない機体だな…)

次の瞬間キリングは咄嗟に機体を跳躍させた。
先程キリングが居た場所にビームが放たれ地表を溶かす。

「あの距離からだと!?」

ゆうに10キロも距離があるにも関わらず敵は正確にキリングにビームを撃ったのだ。

「キリング!跳びすぎだ!」

クロドが叫ぶと同時にキリング機の右足にビームが接触する。

「バカな!?」

そのまま落下し地表に叩きつけられた。
衝撃に悶えながらキリングは損傷を確認する。

「右足の温度が上がってる!今のでか!?」

「動けるか!?」

クロドが近寄りキリングを起こす