嫌人除去法

次の日。
あたしは部活に参加し、また泳いだ。
「15秒19!すごいじゃないか、昨日よりもかなり伸びているぞ!」
「あ、ありがとうございます!」
やった。伸びた!今年のタイムも確実にあたしが1位だな!
そのとき、コーチが思い出したように言った。
「そうだ。今日入部届を出してくれたやつがいるんだ、いま、よんでくるよ」
は?今更、水泳部に入るとか、マジ有り得ないんですけど。なめてるんじゃ?
しばらくしてコーチは髪の毛を2つに束ねた女子を連れてきた。すごい、可愛い。
「初めまして。田口 朝菜です。今日から転校してきました。水泳に興味があるので、入ってみます!ちなみに、明日から授業に参加します・・・。水泳は初心者なので、色々教えてくださいね」
なあんだ。転校生か。初心者っていうし、あたしの1位の座が奪われることはまずないな・・・。よし、シバくぞ!

朝菜に、1度泳いでもらうことにした。
「え〜、出来るかなぁ。怖いなぁ」
朝菜はオドオドしながらそういった。男子達が、俺が教えてやるよ、なんて言ってる。ふん。デレデレしちゃって。

ぱしゃっ。

朝菜が泳ぎ出す。すごい。速い。
「タッチ!ぷはぁ、気持ちいいですね!」
13秒98・・・。嘘でしょ・・・。
「「「「嘘でしょ!?はや!」」」」
わっ、と皆が朝菜に集まる。どーやったらそんな早くなるの!?などと聞いている。
「そんなぁ。私、水泳初めてだし・・・。」
うそつき。うそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつき。