『今日上司ムカついた〜。死ねよ!ウザイわまじ!』
昔、いじめられる原因を作ったのもネットだというのに、あたしったら、懲りないよねぇ。そんなことを考えて自嘲する。

ピコン

コメントが来た。あたしはもう一度ツイッターを開き、コメントを確認した。
『それはお前が馬鹿だからじゃね?www\(^o^)/てか、つまんねー投稿』
・・・・・・・・・。
もう我慢出来ない。堪忍袋の緒が切れた。あたしはすぐさま裏掲示板を開く。そこには、当時のやり取りが鮮明に残っていた。
『ニーナ:お久しぶりです。頼みます。』
そして、了承も得ずに、キーボードを打つ。羅列されたムカつく奴らの名前。送信する。
『匿名:おめでとうございます!嫌人が1000人に達しましたので、記念品を送らせていただきます!』
なに!?1000人!?記念品!?
・・・もう、そんなに殺したんだ。
何故か、悲しくなってくる。あたしは、今まで何をしてたんだろう?自分の欲望のままに人を殺し、ひとときの快楽を得て、そんなものを励みに生きてきたなんて・・・。自然と涙が溢れてくる。それは、あたしの汚い感情を流しきってくれた。
不思議と、殺意が消える。それも、手に取るようにわかるのだ。すうっ・・・ー、そんな音を立てて消えるのだ。

やめよう。

1000人も殺してから気付くなんて、本物の馬鹿だけど、もう、この裏掲示板を使うのは、絶対にやめるんだ。嫌なことがあっても、絶対に。

ピーンポーン。

あたしを訪ねてくる人なんて滅多にいない。記念品だろうか?随分早いな・・・。がちゃりとドアノブを回す。

グサッ・・・

あたしはその場に倒れ込んだ。ナイフか何かで刺されたんだ。だ・・・れが・・・。