嫌人除去法

「えー、まじでぇ」
ここは、深夜の池袋。たくさんの若者達がたむろしている。慣れていないあたしは、そんなヤンキーたちの間をほそぼそと歩く。
思わず、1人のヤンキーにぶつかってしまう。
「何すんじゃ(╬ಠ益ಠ)ゴルァ!!謝れやワレェ」
その大きな声に、仲間らしき人達が集まってくる。
「おいおいおいおい。何やっちゃってんのォ?子犬ちゃん?いい子はお家に帰りまちょうねぇ?」
怖い。手の震えが止まらない・・・。

カツーン。

思わず、手からスマホが滑り落ちる。
「っ・・・!」
すぐに拾おうとするが、仲間の1人が素早くスマホを回収する。
「返して欲しかったら、殴られな?」
う、嘘でしょ・・・。後輩に連絡することも出来ないじゃないか。いや、後輩はもう寝てるだろう。それに、何の罪もない後輩を巻き込むことなんて、出来ない。
そこら辺の公衆電話に駆け込んで、学校に連絡しようか。宿直の先生がいるかもしれない。
・・・いや、待てよ?
人殺しのあたしを助ける奴なんて、いるだろうか?
どくんどくんと有り得ないくらいに心臓が波打つ。冷や汗がぽたり、と首すじに垂れた。
「それとも、体で支払うかぁ?」
ゾッとした。何をされるのだろう。ならスマホなんていらない。ロックも、厳重に掛かってるし・・・。すると。
「お?お、お、お?これをこうして・・・。はい、解読完了!お前、ロック緩すぎだろーwww」
仲間達がギャハハと笑う。
・・・スマホのロックが、こんな簡単に?
「こいつ、解読の神なんだぜー!大体、すぐ解けちまうんだぜ!」
だからって・・・!
「あ、あたし・・・!な、殴っていいですから・・・!」
「イヒヒヒ、ほんとぉ?」
こわい。やっぱり、嫌だ。痛いのなんて、御免だ。
「ケ、ケータイは、あげます・・・」
どーせ大した情報はないし。
友達とか、彼氏なんて、いなかったし・・・。
「ありがとう嬢ちゃん。今後の族の活動費にさせてもらうからさぁ」
売るってこと?そのスマホを?