嫌人除去法

バシャバシャと泳ぐ。タイムが、落ちてる?みると、17秒42だった。
「嘘よ!」
あたしはバシャンと水面を叩く。はずみで水があたしの顔にダイレクトにかかる。でも、そんなこと気にならなかった。
あたしは水着とゴーグルとキャップをプールバックに詰め直した。体を軽くタオルで拭き取る。濡れたタオルをプールバックに乱暴に押し込んで、チャックを閉める。イライラして、たまらなかった。
家に着いても、勿論誰もいない。あたしが・・・殺したから。
「そうだ・・・お母さんの通帳」
昔、お母さんに通帳の暗証番号を教えてもらった事があった。その頃のお母さんは優しくて、内緒よ、と言ってコッソリ教えてくれた。それは、あたしの生まれた時の体重だった。それが嬉しくて、あたしはそれを、ノートの切れ端に記しておいたのだった。その時から通帳を変えていないはずだから、きっと、暗証番号も変わっていない。あたしは、すぐさま銀行へ向かった。
「ほら、見ろ」
案の定、暗証番号は変わっていなかった。馬鹿なヤツ。いくらあるんだろ?
《2000万》
・・・は?こんなにあるくせに、なんであたしに愛情を注いでくれなかったの?あたしを粗末にしたの?
なんであたしに、死ね、なんて言ったの?
あたしの頭はお母さんへの憎しみでいっぱいになった。とりあえず、500万を下ろし、あたしは、夜の街へ繰り出した。