頑張らなくて良いんだよ

私は、そんな毎日を送っていた。


けど、最近、学の生徒会の仕事が忙しくなった。

それくらいなら、我慢できる。


でも、大きなイベントがあると
休み時間も行き帰りも一緒じゃないし、学と話せていない。


クラスメイトだから、顔は会わせてる
けど、寂しい。


そんな日が何日も続くとさすがに辛い。


こんなとき、学に甘えれば良いんだけど、
頑張ってる姿を見てると、

自分の我が儘で学を困らせたくない、
邪魔しちゃいけないと思ってしまう。




　　　　　　　　教室へ

「あの、学」


「唯、どうしたの？」


「あの、少し……」



『平河、ちょっといいか？』



やっぱり、甘えるべきじゃない。


「はい。
唯、何か話あるの？」


「うぅん、何でもない。
先生、呼んでるよ、はやく行っておいで」


「うん、分かった」


学は、優しすぎる。

だから、心配かけちゃ駄目なんだ。



　その日の放課後


私は、帰ろうとしていた。


その時、学と女の子が二人で何かを
話している姿をみた。


聞いちゃ駄目と思いながらも、
近づいていった。



『私と付き合ってくれない』


「良いよ」


『本当にありがとう』
　


そういって、女の子は、学に抱きついた。


私は、思わず後退りをして、その場を走り去った。


泣きながら、走り出した。

辛いとか悲しいとか色んな感情が渦巻いていた。


でも、何よりも、

学が私のこと嫌いなのかも知れない。


その事が一番傷ついた。