好きだと言う前に

「君、名前は?」


そう尋ねると、彼は目を見開いた後俯いた。


「…なんで、ですか?」


「なんで、って、初対面の相手に名前を聞くのはそんなに変か?」


「でも、僕は、奴隷ですよ、奴隷に名前を聞くなんて、おかしいです…。」


…あぁ、そうか。


彼はきっと私が奴隷として自分を買ったのだと、そう思っているのだな。


だからこんなに怯え、俯いている。


彼は一体、どんな生活をしてきたのだろうか。


彼をこのような性格にした奴らを憎く思う。


「私は君を奴隷として買ったのではないぞ。」




「っえ……じゃあ、なぜ…」