ーーああ、可愛いな。 最初に思ったことはそれだった。 まだまだ肌寒い春の夕暮れ。 締め切った窓から差し込むオレンジ色の夕日。 暖かいそれが向かう先に、眠り姫のような彼女の姿。 たくさんの参考書と、彼女の可愛い文字がびっしりと並んだノート。 その上にシャーペンを握りしめたままうつ伏せる彼女。 オレンジ色の夕日に反射して光るふわふわな髪の毛からのぞく、可愛い寝顔。