瀬名は、屋上にいた。
屋上に通じるドアを開けたときに瀬名に気づいて、なぜか隠れるあたしたち。
…甲斐くんは……いない…。
一人で何してるの?
隠れながら、様子を見ていると、ちょっとして、ドアがあき、誰かが入ってきた。

その人物は…佐倉さんだ。

「あ、ごめん!瀬名!遅くなった!」
「ほんとだよ…遅いんだけど」
「へへ…すねないの〜」
「…ガキ扱いすんな…」
「あらあら、瀬名ちゃーん。今日も可愛いわね〜」
「由宇、だまれ…」
「あははっ」

あれ…本当に瀬名…?
あんな優しい顔で笑う瀬名なんて…知らない。

「…ていうか…あたし怒ってる!」
「あ?なんで?」
「…自分で考えなさい…」
「はあ?…あ、由宇のプリン俺が勝手に食べたから?」
「ちがーう!!……って、食べたの?!……まあ、そのことは置いといて…あたし、今日瀬名のクラス行ったじゃん!」
「ああ、来たな」
「全然嬉しそうじゃなかった…もっと喜んでくれると思ったのにさ…?」
「…それは、ごめん。余裕なかった」
「え?」
「由宇がいろんな奴と話してるの見て、妬いてた…//」
「っ//」
「お前まで照れんなよ!」
「…嫌い…瀬名の素直なとこ」
「ぷっ…お前の嫌いは好きだろ?」
「…もう帰ろ…?//」
「なんですぐ赤くなんの…可愛すぎ…」
「可愛いって言うの禁止!//」

あたしたち…見てはいけないものを見てしまったようです。