「なあ〜なんでさっきから無視すんの?」
「べっ別にいいでしょ!」
「冷たいな〜真緒様は」

今は、学校。
あたしと瀬名は同じクラスだから、よくあたしの席にやってくる。

「あっ!可愛い子発見!!!ちょ、行ってくるわ!」
「…」

今の聞きました?!
ありえない!さいてー!
なんて、思っても顔には絶対出さない。
そーいうキャラじゃないし…。
可愛い子に話しかけて、仲良く喋ってる瀬名をみるのは、正直、つらい。
けど、この気持ちを瀬名に伝えるなんて、絶対ありえない!

「遠山さん…//あのさ…」

…あたしが席で本を読んでいると、クラスの男子が話しかけてきた…。
いつもは、瀬名がいるから、話しかけてくる人は少ない。

「本読んでるから、手短にお願い」
「はっはい!」
「…」
「!…あの、そんなに見られたら…」
「じゃあ、見ないから。用件を伝えてくれない?」
「ななななんでもありません!!!」

その男子は、逃げるように走っていった。
結局なんだったの?

「さすが真緒だな」
「瀬名…?!女の子のとこ行ったんじゃないの?」
「なんか、真緒が困ってるよーに見えたから来たけど…気のせいだった?」
「っ!」

なんで気づくのよ…!
ほとんど顔には出てなかったはずなのに…。
そーいうとこも、嫌い…。
好き…。

「そんじゃ、サボってくるわ!じゃーな」
「はあ?!いつもサボりはダメって言ってるでしょ?!」
「はいはい、お前は母さんかよww」
「はああああ?!」
「雷が落ちる前に、逃げよ!」

舌をぺろっと出して、小さい子みたいに走って行く瀬名…。
可愛すぎる!!!

あーもう…ほんとに嫌いよ…。