眠れぬ森の美女





…………少しずつ男の手が伸びてくる。






背中に気持ちの悪い視線を浴びながら、私は必死に廊下を走る。






息を切らして、額に汗をかきながら上手く呼吸をすることも出来ずに必死の思いで逃げ回る。










"チリンッ"










鈴の音とともに、私の視界が広がった。








「……………っは!」









荒くなった呼吸を整え、辺りを見渡す。







そして、ようやく状況を把握した。







私は自分の部屋のベットで寝ていたみたい。








どこまでが夢…?








家に皆がいないことも






ルイくんが来たのも…









全て夢…?










"チリンッ"









そう思ってた時、廊下からまたあの鈴の音が聞こえた。








…そうだ。あれは夢じゃない。







この音と共にルイくんは私の家にやってきた。






そして、ある『お屋敷』の話をした。







ある嵐の日に男達がやってきて、家の主は喜んで男達を招き入れた、と。






その後、停電していた電気がふっとつき、その話はそこで止まった。







話しの続きは気になったけれど、何故か聞いてはいけない気がし、それ以上聞くことが出来なかった。









そして今何故、ベットに横たわっていたのかは予想がついた。






疲れてしまった私はルイくんの前で寝てしまった。







そんな私をルイくんは部屋まで運んでくれた。







そんなところだろう。









ふと、ルイくんに抱き上げられている自分を想像し、肩の辺りに目がいく。








「…ここにルイくんの手が…。」







そんなことを考え、体中から炎が出そうに熱くなる。






私ったら何を考えてるの…?!








昨日初めてルイくんに会ってから、私は心を掻き乱されてばかり。








変に顔を赤らめたり、胸がどきどきして苦しくなったり、今みたいルイくんに触れられてるのを想像して恥ずかしくなったり…。












…どうしてなの?