その日の夕方。買い物を終え家に帰ろうと歩いていると、目の前にさいふが落ちていた。


これ...交番行ったほうがいいよね。


そう思い、ここから一番近い交番に財布を届けに行った。


「あの、すみません。」


自分が悪いことをしていなくても、交番に行くのは少し緊張して。


控えめな声でそう尋ねた。


「はい.....あれ、確か、越野さん?」



「え」


知り合い?そう思いおまわりさんの顔を見ると、




「あ、さく、らいさん?」


「はい。櫻井です(笑)どうしたんですか?」



びっくりだ。まさかお隣さんがおまわりさんだったなんて。


それにしても、制服姿かっこいいな...


この前のスーツでも思ってたけど。



「あ、あの、財布が落ちてたので、届けにきました」


「そうなんですね、ありがとうございます、どこに落ちてたか詳しくおしえてもらえますか?」



そういっててきぱき仕事をする櫻井さんに、私は場所と住所と連絡先などを伝えた。