「さ、櫻井さん!」



「ん?…あ、越野さん」



あたしの顔を見て一瞬で笑顔をくれる櫻井さん。


…いちいちうるさい!心臓!!



「こ、こんにちは!」


「こんにちは。制服だね笑」



「学校帰りなもので、笑」



「初めまして、理子の友達の神原奈津です。」



「越野さんのお隣さんの櫻井です。よろしくね」




次の言葉を必死に探していると、



「櫻井さん!!!」




「あ、沙耶ちゃん」



「今日ね、あたし夜ご飯作るの!食べにくる?」



「いや、今日はやめとくよ。仕事長引くと思うから。ありがとう」



「そっか…じゃあまた作るから来てね!ばいばい!」



笑顔で去っていった女の子。


一気にあたしの表情が曇る



あぁ、こなければよかった、
あの子は彼女かな?
夜ご飯とか…そんな関係なんだろうな…



「理子、大丈夫?」


「ん、ありがと奈津。差し入れして帰ろっか」


なっちゃんに精一杯の笑顔を向け、櫻井さんのもとへ歩く。