聖那 side

正直驚いた。

あの元気いっぱいのあいりが泣くなんて…

あいりの話を聞いて泣くあいりを見て私があいりを守らなきゃ。そう思ったんだ。
儚くて脆いあいり。わたしは、あいりを傷つける人は誰であろうと許さない。
だから、アイツは絶対に許さない。でも
あいりに幸せになって欲しいから。
笑顔でいて欲しいから。ださら、わたしはあいりを応援すると決めた

「せなー?電話だよ??」

あいりの声がした。画面を見たら……

元カレだった。

私は息が止まりそうになった。

なんでいまさら……私のこと見捨てたくせに。裏切ったくせに。

涙が溢れた。あいりの前では強くいようと思ったのに。

「せな?どうしたの??」

不安そうなあいりの顔が見えた。

「せな、私を助けてくれたように、私もせなを助けたい。」

あいりがそう言ってくれたから私は泣きじゃくりながら過去のことを話した。

あいりは、抱きしめながら聞いてくれた。そして一緒に泣いてくれた。
わたしは、それだけで嬉しかった。私のために泣いてくれるあいりをホントに大切にしよう。そう思った────。

そして、元カレが私から離れたホントの理由を知るのはもう少し先のことだった。

聖那side おわり