「井上の髪ってきれいだよな」
そう言って蒼衣くんの綺麗な手が私の髪を触った。
「そ、そんなことないよ??蒼衣くんの髪の方がきれいだよ!」
そう言うと蒼衣くんはニコッとしてくれた。
キーンコーンカーンコーン
2時間目が始まるベルがなった。
「なぁ、今日サボろっか?」
蒼衣くんが言った
「え、大丈夫なの??」
私が聴くと蒼衣くんはおうっと言った。
私たちは一度来た道を引き返して蒼衣くんとぶつかったあのケーキ屋さんに来た。
しばらく休んでいると
「はるとくん……?」
後から可愛らしい声が聞こえて振り返るとふわふわしたまるで天使のような子がたっていた。
「りか……」
切なそうな愛おしそうな声で蒼衣くんがその子を呼んだ。
そのとき私の胸がざわついた───。
