お前は俺が守ってやる

『助けて…』


弱々しく言ったその言葉に、幸平くんは驚きながらも

ちょっと待っててね。と、誰かに代わる


『苺ちゃん!?何があったの!?』


そう言ったのは幸平くんのお母さん


まだ幸平くんが引っ越しをする前

幸平くんの両親とも仲が良かった私は


久々の安心するその声に涙が止まらなかった


そして、これまでの事を一通り話し終えると


『丁度ね、戻ってきててね、苺ちゃんの所にも寄ろうとしてたのよ』


どうやら私に電話をかけたのは、今から来てもいいかの確認をする為だったらしい


『今から行くから待っててね!すぐ着くから!』


そうして電話を切った


約束通り、幸平くん達はすぐに来た


久々に見た幸平くんは爽やかな男の子になってて

幸平くんのお母さんは、ちょっと太った感じ


それでも二人とも全然変わっていなくて

泣きながら二人に抱きつく


『お父さんが車で待ってるから、苺ちゃん準備して!』


そうして準備した私は車に乗り込み

幸平くん達が泊まっているホテルの部屋に入る

そして話し合いをして

幸平くんの両親が私を引き取ってくれる事になった


『ありがとうございます。』


泣きながら皆にお礼を言う私を


本当に優しい笑顔で見てくれた



そして当時中学生だった私は、幸平くんと同じ学校に転校した

転校生の私に皆が興味を持って話しかけてくれたけど

男という存在を見るとどうしてもあの人を思い出してしまう自分がいて、辛かった


それでも学校に通えたのは、幸平くんが色々助けてくれたからだ


そんな優しい幸平くんを、私はいつしか好きになっていた



そして、今年高校生になった私

頑張って幸平くんと同じ高校を受けて


無事に二人合格できた


入学式も終わり、明日から普通に学校が始まる


幸平くんと同じクラスで嬉しくて


まだトラウマは克服出来てないけど
幸平くんが居れば大丈夫


そうして眠りについた