『いつもより遅ぇじゃねぇか!男といんのかよ!?』

「な訳ないでしょ。兎に角すぐ帰るから」


バカじゃないの。男といる暇があるなら働くに決まってるでしょ。

一体誰の所為で連日休みもなしに身を削って働いてると思ってるのよ。


なんて、一言でも言ってしまえば止められないほど葉月には不満がある。

怒りに身を任せて葉月の心をズタズタにするくらいの威力はずっと前から持ってる。


愛想をつかせて捨ててやれば良い、なんて言葉は耳にタコができるほど聞いて、それを口にした友人たちは私自身に呆れて疎遠になっていった。

あの時は遊ぶお金と時間すら惜しいと思っていたから、これは当然の報いだと思う。

こんな私に家族も呆れて数年連絡すらとっていない。



だから葉月と私は、ふたりぼっちだ。