内臓が破裂したんじゃないかと思うぐらいの衝撃だった。
「携帯、かえ、して…」
涙でボヤける視界に映る葉月に手を伸ばすと、葉月は私の携帯を床へ勢よく投げつけた。
「この男何処のどいつだ!!ぶっ殺す!!!」
全ては自分の危機管理ない事が発端だった。
昨日、環と会ってそのまま仕事に向かった。
いつも通り早めにお店を上がらしてもらって自宅に着いたのは朝方近く。
疲れてシャワーをすぐ浴びて眠りについた。
けど、それが迂闊だった。
テレビの前にあるローテーブルに携帯を置きっ放しで寝た。
まさかそんな時間に、環からの連絡があるなんて知らずに。
『誰だよテメェ!!』
葉月の怒号で目が覚め、布団の上で何が何だかわかっていない私に近づいてきた葉月は、突然私の髪を鷲掴みにし、リビングまで引きずり出した。
頭がついて行かずテレビの前まで引きずられるとそのまま投げ飛ばされて床に頭を打った。
『昨日俺の女と何してたんだよ!?』
私のことなんて目もくれず耳に当てる携帯に熱り立ってる。
葉月が怒号を散らすのは紛れもない私の携帯で、その相手が環だと分かった。

