"どうしようもない男ですね"
葉月をそう卑下した環の言葉が、頭の中でずっとリピートされて離れない。
誰が見てもそう思うのは当たり前だと自分でもわかってる。
別れろと言い続けた親や友人が正しいと。
けど、それを断ち切れない所まで来てしまってる私たちは、離れるなんて出来ない。
結婚を考えた時期もあった。
お互い就職をして同棲を始めた頃は、安月給ではあったけど今よりずっとまともだった。
休みの日には買い物をしたり、映画を見に行ったり、普通のどこにでもいるカップルだった。
けど次第にお金遣いが荒くなった葉月は人が変わったようだった。
高校を卒業して関わる人が変わったことが原因かはわからないけど、顔つきが前とは違うのは確かで。
天真爛漫な性格だった葉月が、目つきが悪くて他人にも冷たいと感じる事が多くなった。
そんな葉月でも私に対する態度が変わった事はなく、前みたいに甘えてきたり、キスやセックスも以前とは変わらない。
葉月は私の事を壊れ物のように抱くし、大切にしてくれてたと思う。
他の男の人と関わるだけで異常に反応して束縛だってする。

