今度は私の涙が止まらなかった。 「…伊織…。」 「綺帆って綺麗な帆を揚げてほしいから綺帆なんでしょ?元気になったら綺麗な帆を揚げて、うちに合図だしてよ。そしたら行くから。」 伊織は退学することに対して反対もせず怒りもせず、 待っててね と言ってくれた。 もう、十分だった。 わたしには、伊織が居てくれればもう十分だった。 「先生には話したの?」 「まだ…。」 「そっか、そっちが問題だよね。協力するから。」