ran side
おかしい。
絶対おかしい。
「んー、、」
声に漏れてたそうだ。
「どしたの。悩み事なんて蘭らしくない」
いつも教室で一緒に行動している高橋優奈(タカハシユナ)が聞いてくる。
「あ、優成君」
ガタガタっ。
「、、嘘だよ。優成君の事?悩み事って」
答えてくれないから勝手に話進めちゃうよ、と優奈。
「ちが、まって!優成君じゃなくて悠、、」
悠真?本当に?
何で?悠真、何かした?
あれ?何で悩んでるの?
「、、蘭?」
「あ、、あはは、蘭、頭おかしいかも今」
「、、蘭が自分の事名前呼びってさ、悩み事抱えてる時なんだよね。ほら、話してみ?隠しきれてないんだから」
あ、、。
分かった。
悠真がうちの事を『お前』って呼ぶ時って、悩み事ある時なんだよね。
それを、聞いてあげれなかったから?
ああ、そうかも。
ドキン、、ッ。
不意に頭を撫でられたのを思い出した。
悠真の手、おっきかったなあ、、。
「あ、蘭ちゃん」
「ふぇへ?」
「ぷっ、、。すげえおかしな返事すんのな」
ゆ、優成君、、!!
「あのっ、えっと、その!」
「あんさ、麻由子探しに来たんだけど、どこ居てる?」
ズキン、、。
彼女の大森麻由子(オオモリマユコ)を探しに来たんだ。
「え、、っと、麻由子ならあそこに」
「あ、ほんとだ。蘭ちゃん、さんきゅーな!」
「あっ、はい!!」
この人こそうちの好きな人、水谷優成(ミズタニユウセイ)だ。
だけど彼女がいる。
しかもうちの同級生。
「、、蘭、大丈夫?」
「全然平気」
「蘭が、、そう言うなら」
「うん、ありがとう」
早く、、諦めなきゃ、、辛いだけ。

yuma side
「悠真君!」
「ん?、、って優奈ちゃん、どうした?」
結構焦り顔してるけど。
「蘭、、と優成君の事なんだけど」
ドキッ。
「、、何かあったのか?」
焦りと緊張と、、色んな感情が入り交じってるけど自分の中で止めてみる。
「蘭、口では大丈夫ばっかりだけど、多分、、てゆうか絶対心はボロボロなの。もう優奈も見てらんない。優奈が何してあげても蘭の為にはなってないって言うか、、。幼馴染みの悠真君なら何とか」
「出来ねえ」
「え?」
もちろん蘭の気持ちを知らない優成ってやつは知らない間に蘭の気持ちを踏みにじってる訳で。
俺は蘭の事大事に思っているから許せない。
でも、ここで俺が蘭を助けて。
優成ってやつと上手く行ったら?
一生自分を恨むだろう。
何やってんだよって。
俺は最悪に出来ててな、自分の幸せな道しか描けねえんだよ。
蘭の隣に俺以外の男が居る未来を描けない、描きたくない。
「なんで?蘭を助けたくない?」
「違う!!俺だって蘭を助けて、、その男と上手く行って欲しいって、、」
「欲しいって、、?」
、、ごめん、優奈ちゃん。
「ごめんな。助けたいのは山々だ」
「なら何で」
「蘭の事が好きだから」
、、、。
「、、そっか。優奈、悠真君の気持ち知らずに」
「いーんだよ、俺もゆってねえし」
「優奈、、は、悠真君の応援もしたいけど」
「優奈ちゃん」
いいんだよ、それで。
「蘭の背中を押してやれ。その時の蘭の気持ちを肯定してやれ」
「、、悠真君は優しいね。蘭、幸せ者ね」
「その言葉で充分過ぎるわ」
、、早く諦めねえとな。