ran side
毎朝起こしに行くのが日課。
誰をかって?
「ゆーま、朝だよ」
「んー、、」
幼馴染の岩橋悠真(イワハシユウマ)。
「らーんちゃん、、」
「キモイ早く起きて置いてくよ」
「んな怒んなって、ブサイクな顔が更にブサイクになる」
ぶちっ、、。
「悠真のお母さん、行ってきます」
「毎朝ごめんね〜」
「いいえ」
「ま、待てって!悪かった!な?!」
一緒に行こーよーって、、子供かっつーの。
大体なんで毎朝私が起こしに来なきゃ行けないわけ。
高校生にもなって、、1人で起きなさいよ!!
って言いながら起こしに来る私も私だな、、。
こんな事考えてたら用意が出来たらしく、
「帰り、蘭が好きなクレープ奢るよ」
、、機嫌取りのつもりかしら。
「私の機嫌の取り方がお上手な事」
「褒めてもなんも出ねえぞ」
「褒めてねえよバカ」
、、はぁ。
「追加料金は幾らまでいいの?」
上限決められても超えるけど。
「お好きな様に」
言うと思った。
最近悠真が私の事が好き、っていう噂を耳にした。
それから様子を見てたんだけど、、特に変わった事も無く日常を過ごしてる。
好きな子に対してこんなんなわけないよね。
まあ、私も私で好きな人居るし。
悠真に相談もしてるし。
あ。
「ゆーま、」
「ん?」
「帰り、クレープ屋でまた話聞いてよ」
「いくらでもどーぞ」
、、やっぱり噂は嘘だろう。

yuma side
好きな人から毎日の様に好きな人の話をされるのも辛いものがある。
だけどこの想いは気づかれちゃまずいし、メリットもない。
まあ、、周りの奴らが騒ぐから知っててもおかしくはねえけどな。
「、、聞いてた?」
うっ、、。
「、、聞いてた。理解してるかは別」
「それ聞いてないって言うの」
「わり」
聞けるかっつーの。
聞きたくもねえわ。
だけどな、、唯一独り占め出来るのがこの話をしている時だけだからな、、。
俺は何してんだ。
横からとっちまえばいいだけの話だ。
なにうじうじしてやがる。
って、思うだけ思って無駄な時間を過ごす。
キスしたら幼馴染みでも恋に落ちるって聞いた事あるな、、いやいや!!無理だ。
何考えてんだ俺。
「す、、っ」
「す?何それ」
あ、、いやっ、、えっと、、。
「す、好きだよな〜蘭、そのクレープ」
「?いつも食べてるのと同じでしょ?」
「お、おぅ」
俺は今何を言おうとした、、?
おかしな悠真、と蘭。
「、、だよな、おかしいよなこんなん」
ずっと一緒に居た幼馴染みを好きになるなんて。
「、、悠真?何か悩み事でも」
『あるの?』
そんな想像も付く言葉を、蘭の頭をぐしゃぐしゃに撫で、
「ねーよ、お前は美味しそーにそれ頬張ってればいいの」
救いの言葉を、遮った。